前章では、自尊心が低い人に見られる特徴を、私自身の経験を例にしながらご紹介しました。
また、例に挙げた上司の場合は、「父親に認められなかった幼少期の体験」が根本原因にあるようです。
自尊心が低い人は、次のような特徴があるといえるでしょう。
□ 常に周囲からの称賛や承認を求める
□ 自分よりも優れている人を素直に認められない
□ プライドが高い
□ コンプレックスを持っている
□ 自尊心を傷つけられることを何よりも怖れる
ただ、このような態度をとりつづけていると、いずれは周囲の人から「つき合いにくい人だな」と思われてしまいます。
また、真の信頼を得られなくなってしまうこともあり、結局は社会的立場や信用にも関わることもあるでしょう。
では、このようなタイプの人が身近にいる場合には、どのように対応すればよいでしょうか?
また、自分がこのような態度を取らないためには、どうすればよいのでしょうか。
この答えは、やはり自尊心を持つことにあります。
自尊心を高めていれば、周囲にどのような人がいても毅然とした態度で臨むことができます。
また、ストレスを受けた時には、適切な対応が選択できる判断力を持っていられます。
こちらが毅然とした態度を取りつづけることで、相手の方が態度を変えてくれることもあるでしょう。
逆に、自尊心が低いままでいると、どうでしょうか。
自分が不当な扱いを受けていることを暗に受け入れてしまい、自分にとってプラスにならない立場に甘んじてしまうなど、デメリットが多いものです。
そして、摂食障害をはじめとする心身症やうつに陥ってしまうなど、さらに悪循環になりかねません。
それほど、自尊心は私たちにとって大切なものなのです。
この自尊心は、生育環境や性格によって、元々高い人もいれば、低い人もいます。
自尊心の高い人というのは、周囲の人が一目置くような、威厳のある雰囲気が感じられます。
よく「侵しがたい雰囲気」などと形容されますね。
自尊心を高めることは、一朝一夕にはいかないものです。
しかし、これはこの世の私たち全員が、一生かけて成し遂げていく仕事ともいえるのかもしれません。
自尊心を高めることで、自分の人生が好転し、周囲にも良い影響を及ぼすようになります。
自尊心の高い人は、仕事で成功しやすいといえますし、周囲からの信頼を得てさらに人徳が高まっていきます。
自分が親なら、子どもの自尊心を育み、上司なら部下の自尊心を育むことができるでしょう。
このように考えていくと、自尊心を持つことは、自分は言うまでもなく、世の中全体にとっての大きなプラスになることなのです。
自尊心は、狭い自我(エゴ)に基づいているものではありません。
あくまでも、大いなる自己(生命の尊厳)に基づいているものです。
大いなる自己とは、誰の心の中にも存在している「良心」とも言い換えられます。
そして、良心に基づいて行動を選択するようにすれば、自然に謙虚になれることでしょう。
自尊心を高めるにはまだどうしたらよいのかわからないという場合には、「良心に従っているかどうか」を基準に、物事を選択していくのも良い方法ではないでしょうか。
決してひとりよがりになるのではなく、不安や恐れからでもなく、安心感や愛に基づいた行動や言動を選択することです。
そのためには、普段よりも視点を一段、高く持つように意識してみるとよいでしょう。
すると、意識が広がって全体が見えるようになり、決して傲慢になったり、卑下したりすることなく、自信と謙虚さが備わっていくことでしょう。
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